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学校でのH体験談2022.09.30 sagyouyou

ペルセウス座流星群のニュースを見て思い出した(3)

閲覧数:1,200人 文字数:11980 いいね数:0 0件

前回の体験談はコチラ

その夜、俺は上がりつつある雨の中を急いで帰った。

熱を帯びて一向に眠れない俺は、覚えている総てのユリを思い起こして自分を慰めた。

俺はもうユリのことしか考えられなくて、頭の中はそのことだけ。

童貞の俺はユリのことを思うたびにユリの元彼のことがチラついていたけど、夕べのユリの積極的な態度と「ダメじゃないけど・・・」と言う言葉を思い返して、早くユリを自分のものだけにしたかった。

俺の家には常に母親がいるし、ユリの家なんて持っての他。

部室はユリが嫌がるし、当時のど田舎のラブホテルは車で行くような場所にしかない。

何よりそんなところに行ったこともないし、ユリが嫌がるかも。

倉庫はあの通りだったし、やっぱりバイトの金で夏休みの最後にどうにかして旅行へでも行けるようにするのがベストだなと、勝手な妄想。

翌日の練習はまったく身が入らず同じメニューをこなすEに怒られていた。

その日のユリもいつもと変わらず、淡々とメニューを進めていく。

初めてのキス以来、助走ポイント近くのコーナーに差し掛かるときに掛けてくれるユリの声が、とても嬉しかったのを覚えている。

とりあえずこの天文部の合宿期間中はユリと一緒にいたいと思い、より快適に過ごせる方法を探していた。

倉庫の入り口は校舎とは逆側になり、繋がる小体育館に遮られるため見えない。

深夜2人で過ごすのには絶好のポイントだった。

練習中にあることに思い至った俺は、その日の夜に実行に移した。

夕方まで寝た。

風呂に入って夕飯を食べると急いで学校へ向かう。

倉庫内から、ハイジャンプ用のマットの周りに敷いている薄手の補助マットを出してきて、ハイジャンプ用のマットの前に敷き詰める。

2枚を並べて敷いて残り1枚をハイジャンプ用のマットに立てかけるようにするとリクライニングシートの出来上がり。

家から持参した防虫スプレーも完備。

試しに寝てみるとグラウンド脇の街灯の灯りも程好く、見上げると満天の星空が見えた。

その夜から流星の見られる数が増え翌晩がピークを迎えると聞いていた。

ユリと出来るだけ一緒にいたかったけど、この仕事をしていたらユリの観測時間が始まってしまっていた。

手を洗い天文部の部室へペンライトを借りに行く。

Hと今夜の流星の話をして屋上へ向かおうとしたとき、同学年の女子天文部員が追いかけてきた。

呼び止めた俺に言いにくそうに聞いてきた。

「あの、ユリのとこに行くよね?」

2人で抜け出したりして、特に女子部員にはバレてないわけがない。

(ユリの話だと初日にすでに感づかれていた)

あっさり言われて少したじろぐ俺。

話が見えないので返事に困って「ん?Nもいるし」とごまかすと彼女はわずかに口を歪めて急いで言った。

「いま、ユリ、先輩と観測してるから。」

事態を飲み込めない俺は踵を返す彼女を見送り、階段を昇り始めた。

先輩って3年?誰?わざわざ俺を呼び止めて言うってことは?OB?奴か?なんでだ?

長期の休み中に大学に進学したOBが訪ねてくることは通常よくある。

運動部では進学して現役で続けるOBが練習をみてくれることも多い。

別段不思議な話ではない。

けれどユリと奴が一緒にいるのかと思うと遣り切れなかった。

気は重かったがなによりユリが気になって仕方が無かった。

俺のときのように並んで星を見ているのだろうか。

確かめずにはいられなかった。

テラス前で予備のマットを掴むと屋上へ昇る。

FMラジオが今夜も鳴っている。

ユリは今、東の空を観測しているはず。

俺はペンライトを頼りに北天を観測しているはずのNの元へ足を進めた。

俺「うっす」

N「いよっす」

俺「どーすか」

N「ご覧の通りっすよ」

Nの隣で仰向けになる。

俺「やっぱ多いの?」

N「大漁。明日はもっとね。あー早く呑みてー。」

俺「OB来てんの?」

N「んー、まっO先生の麻雀のメンツ。そのうち消えるよ。」

たぶんNも気付いている。

その夜は雲ひとつ無い晴天。

O先生は撮影に掛かりっきりで麻雀はないだろう。

たぶんNは俺に気を使ってくれているんだなと思っていた。

夕べ、帰宅する前に顔を出した天文部の部室では、先にいた女子部員2名が視聴覚室に寝にいっていて、観測から戻った女子部員1名と起きている数名の男子部員が呑んでいた。

NもHも起きていて少しだけ呑み直していると、機嫌よく飲んでいた女子部員が俺の隣へ移ってきて内緒話のように耳元で「ユリは?」と小声で聞いてきて笑った。

内心、焦っていたけど場を壊さないように俺も彼女に耳元に口を寄せて「寝てるんじゃないの」と笑いながら応えた。

その彼女は「えー?」といいながら俺の背中を軽く叩いた。

やりとりを見ていたNが「そこ、何やってんの?」とHと一緒にニヤついていた。

その時はそれ以上の突っ込んだ会話もなく馬鹿話が続き、やはりタバコの煙が気になってその場を後にした。

女の感は鋭いし、呑み会でいない奴を肴にするのはセオリーだから、俺がユリ狙いで参加してるのはもう見え見えなわけで。

さっき、下の廊下で声を掛けてきて怒っているような早口でユリとOBのことを告げた同学年の女子部員もNも、部外者が持ち込んだトラブルを鬱陶しいながらも回避しようとしてるんだろうなと思った。

俺はきっかけを作ってくれたNにすまなく思い話題を替えた。

ユリの方へ行きたかったけど、行った後のリアクションも予想がつかない。

グダグダしているうちに交代の時間となり、マットを持ってNと一緒にテラスへ降りた。

廊下へ戻ると交代した観測部員らと一緒にユリも戻ってきた。

隣に見覚えのない背の高い男がいた。

ユリは笑っていた。

ユリは俺を見つけると一瞬驚いたような顔をしたがすぐに笑顔に戻して小さく手を振った。

その男=Gから少しだけ離れたような気がした。

記録を付け階下へと歩き出しながらNが俺をGに「見学者」と紹介すると、Gは軽く挨拶をして足早に離れていった。

ろくに挨拶も返せずに、たぶん俺の顔は強張っていたと思う。

まったく余裕がなくて怖い顔で睨んでいたのかも知れない。

皆の後について天文部へ。

Gの話に笑うユリ。

階段を下りるとゆっくりと歩くユリが横に並んで、シャツの裾を軽く掴んで並んで歩きながら小さな声で言った。

「ごめん、後で行くから部室で待ってて」

俺は天文部の部室のほうへ向かっていくユリたちと別れ校舎の外へでた。

陸上部の部室がある第2グラウンドの方へ向かう。

ユリには何の非もないけどユリに対して怒っていた。

なぜ奴に笑顔をみせるのか?なぜ俺は後回しなのか?それでもユリが俺のところへ来てくれるのを待っている。

自分でも気持ちの整理がつかないまま陸上部の部室で待っていた。

事前に確認していたユリの次の観測時間まで2時間。

少しでもユリと一緒に過ごしたいと思っているのに、無駄に時間が過ぎていく。

古いスポーツ雑誌を読み返したりしていても気は漫ろ。

換気扇しかない締め切った部室は蒸し暑い。

イラついてきた俺は部室を出て倉庫へ向かうことにした。

万が一すれ違ってもユリならおれが倉庫にいることが分かるだろうし、出迎える形になってもそのまま倉庫へ向かえばいい。

部室を出て小体育館の角を曲がろうとしたとき校舎の正面玄関に停められた車に乗り込むGが見えた。

ポーチに取り付けられた2灯の灯りに照らされたのはさっき見た背の高いGの姿だった。

車は暫くして走り出し通用門のほうへ動き出し、手前で一旦停まると再び走り出した。

ポーチの光も届かないのでよく見えなかったが、もしも、助手席にユリが乗っていたらと考えると吐き気がして洗い場に急いだ。

自己嫌悪と怒りがぶり返してきて最悪の気分でユリに会いたい気持ちも萎えて、洗い場で顔を洗うと自分で用意した倉庫前のマットへ行き横になった。

見上げると拭き取っていない水が目に入り満天の星空が滲んでいた。

前日からの興奮による寝不足とその日の練習による疲労、先ほど味わった精神的な疲れでいつのまにか寝ていた。

沈むマットの動きと頬に触れる手で目を覚ますとユリがいた。

ユリはスニーカーを脱いで俺を跨ぐ様にしてしゃがみ込み俺の頬を両手で挟んでキスをした。

「ごめんね。遅くなっちゃったよ。怒って帰っちゃったのかと思った。」

潤んだように見える目をしたユリに顔を間近で見た俺は、さっきの怒りも忘れて抱きしめてキスを返した。

唇を重ねながらユリは足を伸ばし、俺の身体の上に反るように身体を重ねた。

少し乱暴にユリの口を貪る。

「ん、ん、ん」と息をもらしながらユリが応えてくる。

ややあって唇を離すとユリが名残惜しそうに「ちゅっちゅちゅっ」と音をたてて吸い付いて俺の唇を軽く噛んだ。

肩に手を回して引き、ユリの身体を反転させて隣に寝させた。

ユリはすぐに抱き枕を抱くように身体を密着させて、顔を俺の肩に埋めるようにして首に唇を押し付けてきた。

ユリと2人だけでいることはとても嬉しかったが、積極的なユリに少し驚いていた。

時間を確認するとあれから1時間半以上経っていてそれにも驚く俺。

部室を出て少なくともこの場所1時間以上は寝ていたことになる。

あと10分足らずでユリの次の観測時間が廻ってくる。

それよりユリはこの時間まで何をしていたんだろう。

俺が時計を見ているのに気付いたのかユリが甘えるように言った。

「次、代わってもらっちゃったからもう少し大丈夫だよ」

俺は急に積極的になったユリに押されつつも、冷静に考えていた。

今夜ユリに何かあったのでは?と疑っていた。

Gと観測していたユリ、俺を2時間近く待たせていたユリ。

急に変わったユリ。

ユリの総てが気に掛かった。

俺も若かったし、なにしろその時点で未だ童貞だったから相手がどうでも良いような女でチャンスがあれば迷わず最後まで行っちゃってたと思う。

けれど、ユリのことは本当に好きだったから総てを知りたかったし、彼女を寝取られた苦い経験を持つ俺にとってはとても気になることだった。

「あれ?前の彼?」

ユリの動きが止まった。

聞こえていた少し早い息遣いが一瞬止まる。

呼吸する胸と腹筋の動き押し付けた胸から伝わる鼓動。

先ほどとは打って変わった消え入りそうな声で「うん」と頷くユリ。

「何してた?」

落ち着いた声で質問している自分に驚いた。

ユリ「え?」

俺「さっき、何してた?」

ユリ「え?いつ?屋上?」

俺「ん」

ユリ「怒ってる?・・・ごめんね、ごめんね・・・でもね・・・」

俺を抱きしめて下にずれるように胸に顔を摺り寄せ、俺の顔を窺うように潤んだように見える瞳を向けた。

俺「怒ってはいない・・・ただ知っておきたいだけ」

ユリ「もう終わったの。ただの先輩なの。でも先輩だから今日みたいに来られたら・・・困るけど・・・しょうが無いの」

俺「それはわかるよ・・・でもなんで一緒にいるの?」

ユリ「・・・観測だから断れないし・・・」

ユリの言うことは尤もだ。

俺はそのことについてはもう聞くことはないし、言葉を詰まらせながら答えるユリが可愛そうだったが、更に問い詰めたいサディスティックな気分が勝っていた。

今まで憧れの対象だったユリが目の前で従順に応える姿がたまらなく愛しいのと、過去に彼女を寝取られた経験がそうさせたのかも知れない。

俺「・・・今まで何してた?」

ユリに身体が再び固くなるのが分かった。

ユリ「・・・ごめんね・・・話が長くなって・・」

俺「誰?」

ユリ「・・・」

俺「言いたくなければ言わなくていいけど、何の話?」

泣きそうな声で懸命に答えるユリ。

「・・・Gさん・・先輩と・・・」

俺「ん?・・・あいつ車で出てったよ。帰っちゃったんじゃないの?」

ユリは答えない。

俺のシャツを掴む手に力が入っている。

ユリは顔を伏せた。

ユリの身体が小刻みに揺れた。

そして、ユリは泣いていた。

半年前のあの時と同じだった。

Aが卒業して無事合格発表を迎え、お祝いのデートでもと思い誘い出した。

もちろん約束のことで頭がいっぱいだった。

様々なエロ教材と友達から得た知識で、数日前から妄想の毎日。

避妊具もしっかりと携えていた。

隣の街で遊び、いつもの彼女の家。

町の郊外で大きな農園と鉄工所を営むAの家は広くて農園より少しだけ離れた場所にあった。

日中はいつも家族中で農園に出ているため家にはお年寄りだけ。

いつも最後はAの部屋で楽しんでいた。

その日もAの部屋に忍び込んでマターリしてからいざ本番へ。

何故かデート中から照れたようにキスを拒むAを初々しくは思っても訝しく感じることはなかった。

もうそのことだけにしか頭にない俺は焦らされて爆発寸前。

嫌がるAを押し倒して無理やりキスをして、いつものパターンに入ろうとした時、俺の下でAが泣いていた。

動揺した俺は「ごめん」と自分の性急さを謝り彼女の頭を撫でていると、Aは身体を返して背を向けた。

思春期のポッチャリとしたAの身体がすすり泣く声とともに揺れていた。

「やっぱり怖い?」と聞くとAはガクガクと頷いた。

小刻みに震えながら引きつるようにすすり泣くA。

「ごめん・・・またにしよう」と背中から抱きしめるとビクッと身体を震わせ身体が硬直して泣き声も一瞬止んだ。

上下する背中とすすり上げる音。

覗き込むと毛布を顔に押し当てていた。

暫くしてAがやや落ち着いてきたので、ここはご機嫌をとってとりあえずFまでしてもらわないと治まりがつかないななどと考えていると、Aから耳を疑う衝撃の告白。

A「ヒグッ・・・もう会えない・・・んっ・・・Mと会えない・・・」

俺「・・・ん?」

A「ヒグッ・・・好きな人ができた・・・」

俺「・・・なんだそれ?・・俺じゃないの?」

A「んっ・・・んっ・・・違う・・人。」

俺は初めてキスを交わすような恋人としての付き合いをしたのがAだったしそれまでは友達の延長みたいなグループ交際での自然消滅的な終わり方しか経験がなかったので、はっきり別れを切り出されるということがよく分からなかった。

俺「俺のこと嫌い?」

A「・・・嫌いじゃない・・・けど・・」

俺「けど?」

A「あっちのほうが好き。」

俺「それ、嫌いってことだろ?」

A「・・違うけど・・・そうなのかな?・・分かんない・・」

俺「誰?」

A「えっ?・・・Mの・・知らない人・・・」

俺はさっきまで恋人だと思っていたAの言葉に怒り、興奮して乱暴に彼女を振り返らせた。

顔を伏せるようにするA。

「ごめ・・ん・・なさい・・でも・・」

俺は寝ていられなくなり身を起こすと無理やりAも起こした。

ベッドの上で横座りになったAは俺の顔を見ようとしない。

俺「言い訳はいいよ・・・いつからだよ。」・・

A「・・・受験終わってから・・・」

俺「中3?」

A「ん・・・クラスメイト・・・」

年下に彼女を取られた悔しさがジリジリと俺を焼く。

俺「なんで早く言わないんだよ。」

A「まだ好きかどうか分からなかったし・・・それに・・・Mが好きだったから・・・」

俺「・・・いつ好きになったんだよ、そいつのこと。」

握った毛布を顔まで引き上げて俺から身を守るように身体を隠している。

Aは顔を伏せたまま言い難そうに答えた。

「・・・よくわかんないけど・・・一緒にいて・・・だんだん好きになって・・・」

「・・・約束破ったから・・・もうMと会えないって思って・・・」

衝撃だった。

言いようのない衝撃を受けた。

再び泣きじゃくりだしたAの前で呆然とする。

俺も泣きたかった。

俺「・・・なんで・・・したの・・・」

A「毎日・・・毎日好きって言われて・・・」

俺「なんで今日会った?」

A「・・・言おうと思って・・・でも言えなくて・・・」

A「・・・Mが・・・初めて好きになった人だったから・・・」

泣きじゃくるAの声は次第に大きくなり、いつのまにかAから離れて立ち尽くす俺は、号泣するAを見下ろしていた。

そのときの俺は泣いていたのかもしれない。

どのくらいの時間そうしていたのか分からないが、突然部屋のドアが開いてAの祖母が部屋を覗き込んだ。

たぶんAの泣き声が心配になったんだろう。

俺もAも驚いてドアの前に立つAの祖母を見つめた。

Aの祖母は真っ赤に泣き腫らしている孫の顔と怒りと悲しみと悔しさで歪んでいる顔の顔を見て怒ったような困ったような顔で「今日は帰りなさい」とだけ言った。

俺は恥ずかしくなって挨拶もせずにAの家を走り出た。

外は日が傾いて空気が冷え始めていた。

俺は斬り捨てられた。

俺は半年前の中学の後輩Aとの苦い出来事を思い出し、再び胸が痛くなった。

けれど、もう失敗はしたくない。

俺はユリがとても愛しかった。

泣いてるユリも愛しい。

確かに俺はユリの行動に疑問を抱いていた。

つまらない嫉妬から妄想もしたけれど、俺の見たGの車にユリが乗っていたのを見たわけではない。

あの時、車に乗り込んだのはG1人だった。

ユリは先に乗り込んでいたんだろうか?

それとも・・・?

ユリの口からはっきりと好きだと言われてはいない。

けれどユリが俺のことを憎からず思っているということは鈍い童貞の俺でもよく分かる。

苦い経験から女性にも性欲があり常に受身なわけでもなく、きっかけしだいで暴走してしまうこともあるということも知った。

別れた元彼と強制的に会わせられて、笑顔の下で動揺もしているだろう。

俺がようやく保っている小さなプライドの為に気にしているのは、ユリが俺に対して本気なのか気の迷いなのかということだった。

泣いて謝るほどのこととは何なにがあったんだろう?

ユリとGがただの痴話喧嘩中で俺が当て馬なんじゃないのか?

一旦は別れたがよりを戻しつつあるのではないか?

ここが俺の勝負どころなのか?

総てを聞いたとき俺はそれを受け止められるだろうか?

そして俺のこの熱い情熱の行方は?

おれの頭の中で様々な思いがグルグルと渦を巻く。

そんな俺の思いとは裏腹に晴れ渡る夜空にひしめく様に瞬く星々。

俺はユリのショートカットの髪を撫でながら聞いた。

「だいじょうぶ・・・俺は大丈夫だから全部教えて。」

「ユリのことが好きだから心配なんだ。」

ユリは声をあげて泣いた。

暫くして少し昂ぶりの治まったユリが身を起こしキスを求めたユリの瞳が濡れている。

上半身を俺の身に預け、顎の下に顔を埋める。

片手で俺の手を求め指を絡ませた。

荒い呼吸と小さく引きつるような痙攣が治まり、静かにユリが語りだした。

『高1の夏、ユリは天文部の夏の合宿に参加した。

ユリは自分を指導する背の高い3年のGがとても大人に思えて憧れていた。

合宿を通して急接近。

周りも認めるカップルとなったが、ユリは陸上部の練習や天文部の文化祭の準備、Gは受験勉強と互いに忙しく、デートも秋になるとほぼ無くなり、正月の初詣に会ったきりで総ての受験が終わるまで会えずにいた。

合格が決まり引越しの準備などでGが忙しく、数えるほどしか会えないうちにGが上京。

Gのバイトもありなかなか会えない中、GWに帰省したGと会うが東京での彼女を匂わせるGに激怒。

口論が続き最終的にともに別れを告げた。』

『この日、ユリが集合時間より少し遅れて天文部の部室に顔をだすと、夏休みで帰省中の天文部OBのGが来ていた。

驚いたがそんなこともあるだろうと予想していたし、既に5月の連休中に別れ話をしていたので自分でも驚くほど冷静だった。』

『他のOB1人も来ていたが、差し入れを渡して暫く部員たちと話すと、GとともにO先生のいる理科準備室へいってしまい、その後、部室へは現れなかった。

部室での会話の最中、何度かGと言葉を交わしたが別段特別な会話もなかった。』

『ユリの観測当番の時間となり、俺が姿を現さないので1人で観測していると、突然Gがやって来て予備のマットを隣に敷いて横に並んだ。

ユリはいつ俺が現れるのかと思って困惑していたが、GはOBでもありその場を荒立てることもできずにいた。

Gは星の話をした。

ユリがまだ行ったことの無い天文台の話。

東京のプラネタリウム。

これから起こる天体ショー。

ユリはもう特別な人ではないGの話に素直に聞き入っていた。』

『交代間近になったとき、Gがそれまでとは違う搾り出すような声で囁いた。

「話したいことがあるんだ。別のところで聞いてくれないかな?」

ユリは急な申し出に驚いてすぐさま断った。

ユリ「ここじゃだめですか?私、約束があるんです。」

G「頼むよ、もう時間が無い。前に言えなかったことがあるんだ。」

ユリ「嫌です。話すことなんて無いです。」

G「お願い、ユリは誤解してるんだ。」

ユリ「困る。」

G「頼むよ、みんなの前では話したくないんだ。ユリも嫌だろ?」

ユリ「それは嫌だけど・・・」

G「俺も嫌だ。誤解を解きたいんだ。頼む。」

執拗に頼み込まれたユリは根負けして答えた。』

『ユリ「少しだけなら・・・でも一緒のところを見られたくない。」

G「じゃ、視聴覚室出たとこの裏門で待っていて。」

ユリ「んー廊下とかじゃだめですか?」

G「皆に見られるよ。俺はタバコ買いに行くって出て裏に廻るから。」

ユリ「10分だけですよ。」

G「分かった。待ってて。」

交代の時間になった。』

『テラスに下りると俺がいて驚いたが、俺に知られたくないユリは努めて普通に振舞った。

もちろんGにこの場で余計なことを言われたくないためでもあった。

俺の顔を見て何となく悟ったユリは、早く降って湧いた問題を解決して俺と一緒にいようと思っていた。』

『ユリは俺と一旦別れ皆と一緒に天文部の部室で喉を潤す。

同学年の女子部員と視聴覚室へ向かいジャージを羽織って1人で裏門へ行った。

視聴覚室で気遣うように声を掛ける女子部員に俺に逢うと告げた。

暫く待っていると車に乗ったGが現れた。

助手席のドアが開けられ躊躇していたが、(タバコを買うと言って出てきたから10分で帰る)という言葉を信じて乗った。

警戒はしていたが、もともと乱暴な人ではなかったので気を許した。

ユリは早く話を済ませようと思っていた。』

『話はGW中の別れ話のことについてだった。

長い言い訳のような話だったが要約すると、(売り言葉に買い言葉であの時は別れるような言葉も口にしたが、今でもユリにことが好きだ。

別に付き合っている彼女がいたわけではなく、あくまで友達の延長だった。

改めてユリが好きだと分かった。)

というものだった。』

『Gは自販機でタバコを買うと再び車を走らせ、徐々に学校から離れていった。

焦るユリは車を戻すようにGに頼むが、Gは話が終わっていない答えを聞いていないと言ってユリの言葉を聞き入れようとしなかった。

既に何度もGの申し入れを断っていたユリは「今好きな人がいる」と告げた。』

『G「付き合ってるの?」

ユリ「付き合ってる。」

G「天文部?陸上部?」

ユリ「・・・」

G「さっきの怖い顔してた奴?」

ユリ「・・・違う。」

G「そっかー駄目か。」』

『Gはまだ車を走らせる。ユリは飛び降りようかとも考えたが、怪我でもして大騒ぎになることを恐れた。

G「じゃ、帰ろうか?」

ユリ「えっ?はいっ。」

G「帰りたい?」

ユリ「お願いします。」

G「じゃ、帰る。帰るけど最後に1つだけ頼みを聞いて。」

ユリ「?」

ユリは嫌な予感がして身構えた。』

『車が停まったら飛び出ようとかとも思っていた。

けれど車を返すGを見てホットしていた。

暫く考え込むように無言だったGが口を開いた。

G「最後に抱きしめたい。」

ユリ「それは嫌。変なことしたら飛び降りる。」

G「じゃ、キスと握手ならどっちがいい?」

ユリ「・・・握手だけなら・・・」

Gは車を返し裏門にあとわずかという場所に車を停めた。

そこは神社へ続く参道への入り口で宮司さんの家もある場所なのでユリも少し安心していた。』

『G「じゃ、これからも先輩後輩だから・・・よろしく。」

ユリ「・・・ありがとう。」

差し出されたGの右手に上半身だけGに向けるようにして握手をすると、その手を引かれて前かがみ気味になったところをまわした左手で奥襟を取られるようにして肩を抱き寄せられた。

長身のGに抱き締められて暴れるユリ。

首筋に強引に顔を埋めてくるGは言った。

G「ごめん、これ以上何にもしないから。」

暴れ続けるユリが手におえずGはユリを開放する。

車を飛び出し裏門へ駆けながらユリは泣き出していた。

裏門に入り視聴覚室の壁にもたれて、声が漏れないように口を押さえて泣いていた。

裏門の前をGの乗る車が走り去った。』

『ユリは泣き止んでも泣きはらした顔を誰かに見られたくなく、その場を動くことが出来なかった。

俺を待たせていることはもちろん気がかりだったがそれ以上にこのこと俺に知られたくなかった。

Gに会ったときの俺の顔を見ていたユリはそのことを心配した。

Gのことは既に自分の中で終わっている。




けれど自分の中にあるGに対する甘さによって、起きてしまったことを悔やんでいた。

落ち着いて忍ぶように視聴覚室に入るとあの同学年の女子部員が本を読んでいた。』

『入ってきたユリを見ると、近寄ってきて「だいじょうぶ?」と聞いてきた。

ユリはとっさに笑って「喧嘩しちゃった。」と答えると、「Gさんのこと?」と聞かれた。

ユリ「・・・んー、そんなんじゃない・・・」

女「そんならいいけど・・・」

ユリ「謝りたいから、次代わってもらっていいかな?途中まででもいいから・・・」

女「それはいいけど、修羅場はカンベン。」

ユリ「わかってる。ごめんね。」

ユリはGとGの車の匂いが付いたジャージを着替え、中庭の洗い場で顔を洗った。

再び時計を確認すると陸上部の部室へ急いだ。』

『鍵が掛かり灯りの灯っていない男子部室を見たユリは倉庫へ駆け出した。

走りながら俺が帰ってしまったのかもと思うとまた涙が溢れそうになり、帰っていないことを祈った。

小体育館の角を曲がると急に暗くなる。

着替えたときにペンライトを置いてきてしまったことに気付いて、ゆっくりと歩く。』

『倉庫を回りこむと、グラウンド脇の街灯が薄っすらと照らし出した倉庫の入り口で寝ている俺の姿が見えた。

俺の様子を伺うようにそうっと近づくユリ。

寝ている俺をみたら、ユリは急に自分がGの匂いで汚されているような気がして悲しくなった。

ユリは早く俺に抱きしめられたいと思った。』


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倉庫陸上部合宿10代長編学校スレンダー正常位高校生クンニ女子高生手マン続き物屋上マットプレイ

出典元:
高校時代のえっちな思い出 Part14


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