ゲームの裏技

あるゲームソフトの話。

それは「漆黒の校舎と響く足音」（仮題）という、学校の怪談をテーマにしたサウンドノベルなんだが、ホラーマニアでも投げだすほど怖いと評判のゲームだ。

内容も、単純に怖いシーン、驚かせるシーン、いじめや虐待などの不条理な舞台背景、気持ち悪くなるシーン、残酷なシーン、登場人物が死ぬシーンなど人間が恐怖や不快な感情を感じるのを徹底的に極め、ある意味感心する程の完成度だった。

そんなゲームだが、これには意外な機能があった。

それは「ゲーム中の全ての選択肢を選ぶと、内容がエロいストーリーでプレイできる」というものだった。

実際に他のゲームでそれと同じような特典があるゲームは存在するが、このゲームでも一応それがあるらしい。

だが、友達やゲーム仲間で選択肢コンプリートを達成した人は誰もいなく、どのような内容なのかは謎のままだった。

ゲームをどこまで読み進めたかは「栞（しおり）」と呼ばれるセーブデータに保存される。

栞のセーブデータは、ゲームを最後まで進めて2週目、3週目・・に入るときも同じものを使用する。

そのためその栞を使っての全てのプレイ時間や、選んだ選択肢が記録される。

ただし、過去に選んだ選択肢をゲームで見ることは出来ないので、自分で何を選んだかはきちんと覚えておくか、紙のメモなどに記録するしかない。

サウンドノベルのゲームはやってみると分かるが、途中に選択肢が出てきて（例えば「左に行く」「右に行く」など）その選択肢によってストーリーが枝分かれしていく。

一度進んだ分岐点はゲームを最初からやり直すまで戻れない。

そのため全ての選択肢を選ぶのは途方もない時間と手間がかかる。

また既に選んだ選択肢を自分で把握しないといけないので、適当にボタン連打して読み飛ばす訳にもいかない。

そんなわけで俺は「エロいシーン」が見たいばかりにゲームを進めていった。

無論それはそれは本当に怖いシーンだらけで、読んでいて不愉快になるシーンもかなりあったり、いきなり何者かが現れてビックリさせられたり、進めていて本当に心が折れそうになった。

特に登場人物が死ぬ系の話は物語だと分かっていても心が痛くなる。

はじめはなるべく昼間にゲームをしていたが、ゲームを進める中で無数の選択肢と展開が予想以上に多いことに気づき、まだまだコンプリートまでは程遠いと知ってからは夜もゲームを進めざるを得なかった。

真夜中にゲームを進めていて「忘れ物を取りに学校に行ったら・・」とか「学校で見た幽霊が家までついてきていた」みたいな話を聞くとかなりゲンナリ・・しかも幽霊のドアップとか効果音とか余計な演出ばっかり！

そしてクリアしたら、また最初から始めて、選択肢を変え、その選択肢から派生するイベントもひとつひとつ選択肢を変え、選択肢による僅かな変化のために同じイベントを何回も見るということもザラだった。

選択肢によって物語が大きく枝分かれする場合もあるが、小さな選択肢の変化はセリフが変わる程度なので、この程度でやり直すのかと苛立つこともあった。

選択肢コンプリートのためには何百時間も要した。

どの選択肢を既に選んだか記録する手書きのメモ帳もびっしりと埋まっていた。

始めてから3か月は経っただろうか。

あと1週か2週ほどすれば全ての選択肢を埋めることができる目処が立っていた。

そして、そのときが来た！

全ての選択肢を選び最後のエンディングを迎え、タイトルに戻った。

何が起こるのかドキドキとセーブデータの画面を開くと、何と今まで使っていた黒い栞が「虹色の栞」に変わっていた。

「おお～っ！！」

と感激する俺。

そして俺は虹色の栞を開いた。

ゲームが始まると、男の子と女の子の2人が夜の学校に忍び込み・・みたいに本編と同じようなところから始まるが・・。

そこからが、世にも卑猥な物語が始まった。

「肝試ししながら、徐々にイチャイチャとなりやがて肝試し中にも関わらず・・・」

という続いたり、別の主人公の話では、

「音楽室に入ると、ワンピースの可愛い女の子がピアノを弾いていた。そして女の子は僕の方を見て微笑みかけ、そして僕たちは・・」

「忘れ物を取りに学校に入ると、担任の先生が教室にいて、私はいきなり先生に・・」

というように本編をモチーフにした話だが、話の「怖い部分」が「エロい部分」に置き換わっていた。

その卑猥さは下手なアダルトゲーム顔負けのすごい内容だった。

歯の浮くような口説き文句、限度を知らない性的描写、臨場感のある表現など・・。

俺はそのゲームを進めながら常にムラムラしていて、何回も抜いてしまった。

そして俺は、俺以外にこのゲームで「虹色の栞」にした人がいるのかネットで探してみた。

そしてこのゲームに関するスレッドを見つけた。そこには、本当かどうかは分からないが「虹色の栞」にしたという書き込みが少なからずあった。

俺も虹色の栞にしたこととともにプレイ時間や体験談をつけて書き込んだ。

するといくつか反響があった。

「そんなに時間かかるの？」

とか

「マジで？読みてー」

など。

俺は虹色の栞にした人なんてそうそう多くないよなって有頂天になっていた。

そして、翌日。

スレッドを開くと俺宛てにダイレクトメッセージが来ていた。

「こんにちは。23才女性です。このゲームで「虹色の栞」にしたと聞いて興味を持ちました。もし良かったら、そのゲームを見せてくれませんか？」

との内容だった。

俺は「相手が若い女性」とか嘘の可能性もあるので警戒しながらも、プレイ中の画面を撮ったものを貼り付けて送ったりした。するとまたその女性から

「すごいですね！！ここまで見ちゃうと気になってしまいました。」

などのメッセージが来て、それに返信をしているうちに

「一緒にプレイしたいです。私と会って見せてくれませんか？」

と誘われた。

俺は迷ったが

「23才の女に本当に会えるなら悪くない。もし全然違う人が来たら断るなり、逃げるなりすればいいし」

と思い、その女性に会うことにした。

次の土曜日。

俺は街の噴水の前で待っていると、確かに若い女性が俺に近づき話かけた。

そして、硬い表情が柔らかくなった。

若い女性というのは嘘どころか、とても可愛らしくて若い綺麗な女性だった。

俺は女性を車に乗せて家まで連れて行った。

「綺麗な部屋ですねー」

女性は喜んでくれた。

俺の部屋のテレビとゲームの電源を入れ、ソファーに女性と一緒に座った。

そして虹色の栞のデータを始めた。

どこかで聞いた話と急展開なエロい話。

俺は「初対面の若い女性と見る話ではないよな」って思いながらもそのまま続けていった。

エロいシーンになると、女性も少し興奮しているのか息が荒くなった。

途中から女性は

「私も操作していいですか？」

と言われたのでコントローラーを彼女に渡した。

エロいモードということは、当然選択肢もエロいものもあるんだが、女性はエロい選択肢を選ぶときなぜか嬉しそうにしていた。

しかも一番キワドイものを選ぶというね！

ゲームを進めていくたびに、変にテンションが上がる女性。

そして1週目のエンディングを迎えた。

エンディングを迎えると、女性はコントローラーを置き、俺の体のコントローラーに手を伸ばした。

「ねーえ、ドキドキしてきちゃった。」

「俺もだよ。」

「ゲームの続きしない？」

そして俺たちは、ベッドの中で「虹色の栞」を開いた。

今日が初対面だというのにいきなりマッパになる彼女。

可愛い顔、Bカップほどの控えめな乳房、綺麗な色の乳首、薄い陰毛、細くて長い白い脚など。

俺は女性を抱き、ゲームの中と同じように激しく求めた。

女性も汗を垂らしながら

「あぁん！あん！ぃあんん！！」

と激しく俺を求めた。

俺たちはお互いの唾液を絞り出すように激しくキスして舌を絡ませた。

そして、彼女の陰部に挿入。

「あっ、そんなぁ・・」

とは言いながらも涎たらたらな女性。

そして俺は、女性の柔らかい乳房を揉みながらも彼女の大事なところを突き上げた。

「あっ！あっ！あっ！」

女性は目を細めてよがっていた。

女性の中は最高に気持ちよかった。

そして、女性を掘り続ける俺。

俺たちの「ゲーム」は、まだまだ終わりそうになかった。

・・・

（この体験談はフィクションです。実在の人物・団体と一切関係ありません。また本文に出てくるゲームソフトは実在せず、実在のゲームをモデルにしている訳ではありません。）

–END–

『深き色(23歳・♂)』さんからの投稿です。

ありがとうございます。